・お越しやす「京言葉」

丁寧語:形容詞には 「~おす」か「~ございます」

美しおす(うつくしゅうおす)・よろしおす(よろしゅうおす)  美しございます(うつくしゅうございます)・よろしございます(よろしゅうございます)  意味は同じだが、ございますの方が、より丁寧。

丁寧語:名詞には 「~どす」

共通語の「~です」にあたる助動詞で、意味も使いどころともほぼ同じだが、「~どす」は形容詞には付かない、という違いがある。しかしながら、実際にも最も広く使われていた時代においても、公家や武家が多く住んでいた地域では、、「~でござります」や「~であらっしゃる」等が使われ、「どす」はほとんど使用されなかったという。今日では「祇園の舞妓さんが使っている言葉」というイメージが強いこともあってか、 女言葉だと思われがちだが、元々は老若男女問わず用いられた。

ものにも “さん付け” する

「さん付け」の対象となるのは主に「飴さん、あげさん(油揚げ)、ふーさん(麩)」など食べ物や、「八坂さん(八坂神社)」や「お稲荷さん(稲荷大社)」など寺社仏閣に関するものが多いようである。中には「うんこさん」などという変わり種もあるが……。 ただし、どの言葉にでも付くのではなくて、付く言葉とつかない言葉が暗黙の了解のうちに決まっている。

語彙集抜粋

「あがる(上ル)」(●●●) 北へ行くこと。京の北端に御所があったことに由来。対義語は「さがる(下ル)」(●●●)東西へ行くことは「ひがしいる(東入ル)」「にしいる(西入ル)」 住所にも入っている場合がある。

「おおきに」(○○●○) “大きにありがとう”の略。大阪弁とアクセントが違う。(●○○○)

「おひぃさん」(○●○○○) 太陽のこと。「ひ」を伸ばすところが独特。「絵」「木」「手」「名」などの1拍語は、絵ぇ(○●)、木ぃ(○●)、手ぇ(○●)、名ぁ(●○)のように2拍語のように発音される。京言葉には、純粋な1拍語はないとされている。

「おぶ(ぅ)」(○▼) お茶。元はお湯のことも含めたが、今日ではお茶を差すことが多い。

「おぶづけ」(○○○●) お茶漬けのこと。

「きくな(菊菜)」(●●●) 春菊のこと。京都では普通こう言う。「春菊」では、運が悪いと通じないことも。

「きずし(生鮨)」(○●○) しめ鯖のこと。すしという言葉が入っているが、シャリに乗っていなくともこういう。

「きずつない(気術ない)」(●●●○○) すまない、申し訳ないという意味。

「ぎょうさん」(●○○○○/○○○●) たくさん。「ようけ」、「ようさん」とも言う。

「ぐぢ」(○▼) 甘鯛のこと。

「けったい」(●●○○) 奇妙なさま。不思議なさま。 「そんなけったいな顔して。」とか。

「こいも」(●●●) 里芋のこと。「里芋」と言うと、京都では通じにくい。

「たぬき」(●○○) たぬきうどんの略。きつねうどんにあんかけを加えたものだが、京都独特のレシピのようで、大阪人や神戸人はにはこの「たぬきうどん」は通じない。

「~はる」(●●) 敬意を表す助動詞。語幹が1拍の動詞に付くときは「~やはる」とも。言わはる(言う)、食べはる(食べる)、来やはる(来る)、しやはる(する)等々。

「まるたけえべす」(●●●●●○○) 京の東西の通りを並べた有名な童歌。「まるたけえべすに・おしおいけ・あねさんろっかく・たこにしき・しあやぶったか・まつまんごじょう」  北から「丸太町通・竹屋町通・夷川通・二条通・押小路通・御池通・姉小路通・三条通・六角通・蛸薬師通・錦小路通・四条通・綾小路通・仏光寺通・高辻通・松原通・万寿寺通・五条通」の頭文字を取ったもの。

「~やす」(●○) 接頭辞「お」+動詞連用形+この「やす」で、敬意表現をなす。「お越しやす。」「おいでやす。」「おいやすか?」「見とくれやす。」等々。

「ゆか(床)」(●●) 初夏から夏にかけて、鴨川縁にある飲食店が川辺に張り出す縁側部分のこと。此処でご飯を食べるのは一種のステイタスとなる。